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閻魔「(男に)被告、生前の名前は?」
大洞「大洞佑太」
閻魔「年齢と職業を言え」
大洞「58歳。政治家。元総理大臣だ」
閻魔「審理の前に忠告しておく。この法廷では、黙秘権はあるが、嘘はつかぬように」
大洞「嘘などつかんっ」
たちまち姿見がキンコンカンコン鳴って、姿見の周囲に取り付けてある電球がぐる
ぐるピカピカ光り出す。
閻魔「この鏡はライアー・カウンターになっておってな、嘘をつくと反応する」
大洞「俺が嘘をついたという、どんな証拠があるんだ、証拠を見せろ、証拠を」
閻魔、机の引出しから、タブレットを取出す。
閻魔「これには、生前のお前の行いが、全て記録されておる」
大洞「閻魔帳か?!」
閻魔「昔使っていた大福帳みたいなやつだと、書庫に入りきらなくなっての」
閻魔、キーをクリック。
浄玻璃鏡の鏡面に波線が走る。
やがて、鏡の中に、背広に選挙のたすきをかけた大洞の姿が現れる。
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