海咲ちゃん成分欠乏症のこと

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 あ、そうか。海咲ちゃんを誘えばいいんだ。  誘う絶好の口実が出来たじゃないか。  夏休み、好きな人と映画。  うーん、何て青春なのかしら。  これもうあれじゃないか? りあじゅうとか言う奴の仲間入りじゃないか。  おいおい、まいったなー。  りあっちまうぜ。  ……これだと、頭の悪い悲劇の王様っぽいか。  じゅうっちまうぜ。  ……これはわかる。語呂も頭も悪い。    これだからリア充って奴は……。  爆発しろっ。    ともかく、こんなところでゴロゴロしている場合ではない。  チケットを手に、私は自室めがけて走り出す。 「ちょっと、野乃花、昼ご飯はー?」  背中に飛んでくる聖子さんの声。  だが、今はそれどころではない。
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