10人が本棚に入れています
本棚に追加
「私の誕生日は一昨日だってのよコノヤロー」
「それはそれは……」
ミィィィスッたぁぁぁぁ。
だからいつも言っているじゃないか、大切な事はカレンダーにメモしろと。
うん、よく見ろ私、このカレンダーを。
……カレンダーについた赤丸を? 聖子さん誕生日と書かれた文字を?
「メモしててくれたのね、優しい娘」
じゃあ、頭を鷲掴みするのを止めてたもれ。
「その割には、おめでとうの一言もなかったように思うけど? 私が耳鼻科に行くべき?」
割れるっ。それ以上は頭が割れるっ。
「私が眼科に行かせていただきます」
「他に言う事は?」
「オメデトウゴザイマス」
「で? 昼飯食うの? 食わないの?」
「イタダキマス」
「んじゃ、降りてきな」
「ハイ」
こうして私の頭は無事だった。
ほんとにつくづく、聖の一文字が似合わん女だな。
だが、今は従うのが吉と判断。日程調整等は後回しにすることにした。母親をガチ切れさせても良い事なんて何もないのだ。
それにしてもあれだな。カレンダーにメモするのって、ほんとに無意味だよな。
最初のコメントを投稿しよう!