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再度、カメラで覗くも…やはり誰もいません。
私は本格的に恐怖で震えあがりました。
カメラの死角に入っているのか?
もしも中に人がいるのが分かったらどうなってしまうのか。
とても頑丈には見えないこの扉がこじ開けられたらと思うと気が気ではありません。
今度はカメラを付けっ放しにして、犯人が見えたら警察に電話しようと思っていたその時
『バァン!』
と扉を思い切り叩かれたような、蹴りつけられたかのような音が鳴り、衝撃が中まで伝わってきました。
と、同時に事務所内のブレーカーが落ちたのか、全ての照明が消えて、バッテリーで動いているノートPCの光だけに。
恐る恐るカメラを再度確認しましたが、何も映ってはいません。
人影はおろか、何かをぶつけられた形跡すら。
私は半狂乱でスマホから近くに住む同僚に電話しました。
同僚は何か察知したかのように『とにかく落ち着いて、どこかに隠れて警備員を待て』と話しますが、落ち着ける訳がありません。
入り口に近付けない以上、逃げ出すこともままならず、電話を繋いだまま再び入り口から死角となるデスクコーナーへ戻り身を潜めました。
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