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「京午お前さあ…………馬か牛かはっきりしろよ!」
「突き抜けてないだろ!!」
京午の顔が般若になった。
「お、ま、え、は………!」
京午が秋の頬を掴む。
「イダッ! イダダダダ!」
「いやほんと全く成長しないなお前は」
「はい、あのすみません。イダダ!」
「お前もよく知っているよね、突き抜けてないよね記憶力悪過ぎないかい?」
「力強っ。あの、ほんとすいませ、」
「大体秋は昔から……」
記憶より黒い笑顔で、記憶と同じように京午が秋を吊っていく。
…………そうだ、四時間目は……数学か。今日は確か合同だった筈……。
「僕は嫌がったのにいきなり後ろから押して……」
「あの、マジすんません」
またプリントか。まあ、最初だから仕方ないのか。
横で煩い声が聞こえるが、無視しながら俺は机から一応教科書を出した。何かしら参考にはなるだろう。
「ねえ」
うんうんと心で頷いていると、前に座る古和が話しかけてきた。
「馬場様って、昔もああだったの?」
きゅるりん、とした瞳が俺を見つめる。少女のような愛らしく儚い顔に俺のは軽く動揺した。
「あ、ああ」
「へぇ」
古和が可愛らしい顔に愉快そうな色を浮かべた。
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