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「あー……」秋が頬を押さえる。「ンーーまーーー」
三時間目、四時間目と来れば昼休みだ。
俺達は今、学園の食堂にて美味しい昼食を頂いている。
俺は餃子とチャーシュー麺とご飯を、秋は卵とじカツ丼とミニうどんを食べている。炭水化物と肉ばかりなのは分かっているが、育ち盛り故にこうでもしないと満たされない。
「これはホントこの学園のいいところだよな。朝昼晩無料とか幸せすぎだろ」
言葉の通り幸せそうに秋がカツ丼を頬張っている。黄色い卵に閉じられた厚みのあるカツと白いご飯をにこにこ顔で口に含む秋の姿は、俺の食欲を更に刺激した。
俺は勢いに任せてもちもちで歯応えのある麺を啜った。
「あー、やっぱり豚骨だな」
「だよなー」
秋がうんうんと同意する。
俺の心が満たされた気がして、上機嫌で餃子を頬張った。一口で食べきれるサイズの餃子はサクサクと口の中で音を立てた。ニンニクは効きすぎていない。少し焦げたところと、焼くときに使われただろう胡麻油、タレにいれた少量のラー油がとても香ばしい。
噛む度に溢れる肉汁と共に飲み込むと、俺は麦茶を喉に流した。
そこで漸く秋が物欲しそうな顔でこちらを見ていることに気がついた。
「あ、渡、餃子二個……」
「カツ一個な」
交渉成立。
餃子の皿を秋の方へと軽く動かすと、秋が皿の空いたところにカツを置いた。
二人して互いのものを食べる。
「「あー……」」
幸せな声が重なる。
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