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女子高校生にとって、クラスのグループに入ることは必須だった。
「昨日のスマスペみた?echoちょー、よかった!!」
「だよね、だよね!ほんとイケメン」
かしましく机を囲み話すのは昨日の音楽番組だろう。有名な男性アイドルにみんなはまっている。学校での話の半分はこれだ。
「珠理奈もそう思うでしょ?」
問いかけてくるのは、女生徒の集まる円の中心。このグループのリーダーの真紀だ。
「うん!もーヤバすぎ!」
(興味ない何て言えないし、あわせよ)
適当に会話を繋げていれば、予鈴がなってやっと散りじりになった。
静かになった机の周辺を思い、珠理奈はぼんやり考えた。
(つかれる。)
優れたリーダーかつ、肌にあうメンツが多くないと長くそのグループには居ることが出来ない。
タイミング悪くグループを出ると、いじめの対象にもなりかねないことを大体の女生徒は知っている。
ほとんどは小中の学校生活で得たものだった。
野口珠理奈も痛いほど、わかってはいた。
だから、色々と我慢をしていた。
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