お父さん大好き!

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「今のままでいいと思います。意識しない方がお互いのためだと。彼女、告白したつもりはないような気がします。彼女はお父さんに憧れているのでしょう。子供を守るお父さん。きっと彼女は気持ちを抑え切れなかったのだと思いました。彼女のお父さん、きっと何かあったのでしょう。ボクはそう思いましたよ」  告白には違いないけど、チノが…アッ! あれってまさかっ! チノが父親を取られそうで嫉妬していたのかぁー!! なんとなく理解できた。チノとマノンのあの態度。彼女たちも今はきっと傷ついているのかもしれない。 「チノ…そんな寂しい顔をしないで欲しい。もうわかったから。由紀先生はお父さんが欲しかったのか…それに気付いたチノとマロンは妬いちゃったんだね。それでいいのかな、チノ」 「…おとうさん、ごめんなさい…うん…由紀先生、とっても寂しそうで…お父さんを譲ってあげてもいいかなぁーって…そう思ったら寂しくなっちゃって…きっとマノンも私と同じだと思うの…」  オレは無言で、チノを抱きしめた。マノンに会いにいったら、こちらでは大泣きをされた。連鎖反応的に天使たちの大泣き大合唱が始まってしまったのだ。しかし安理が現れた時には嫉妬しなかったのだが。どういうことなんだろうか…    家に帰ると安理がオレに抱きついてきた。そしてオレに詫びるのだ。安理もチノと同じ気持ちのようだ。 「私たちは一緒だから。だから嬉しくなるの!」     
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