死神仕事の特別な条件

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「…ああ、今言われて気付いた。そうだな、オレも苦しいからな。今度機会があれば、試してみよう」  デヴィラは笑顔で言って、チノの頭を撫でた。 「ああ、それよりも! 水平線が妙なんだが、天変地異の可能性とかはないのか? そういった情報もわかるんだろ?」  デヴィラは真顔に戻り、どこかに通信を始めた。モニターにいろんな物が表示される。ほとんどが地図のようだ。 「ああ、コーちゃんの言った通りだ。きっと地震が起こる。場所はここから500キロ離れた海の近くだな。その場所はここの管轄ではないが、もし大災害になったらここからも応援要因を出す。放っては置けないからだ。ついでだが言っておく。もし天災が発生した場合、死神も人命救助を行なう。これは天変地異の場合だけだ。ヒトの責任がある場合は放っておいても構わないのだがな。自然現象は神の落ち度なんだ。それを悪魔がフォローする。そういうシステムも存在するんだ」 「姿を消していた方がいいんだな?」 「ああ、そうしてくれた方がいい。何かと騒がしくなるからな。消えたままだと奇跡のように言われるから都合がいいんだ」  デヴィラが軽く苦笑いをした。 「ああ、かなりでかいな。予測できていたから慌てなくてすんだ。 …コーちゃん、お前はやはり何か持ってるな…」     
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