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モニターの映像が切り替わった。オレは笑いそうになった。悦子は腹を抱えて笑っている。オレは悦子の二の腕を少し抓った。
「デヴィラちゃん! 助けて! 死者5000なの! しかもこれから津波が来るって! 神は何してたのかしら。あなたのところの昨日の… …なんて言ったかしら、その子を連れてきて頂戴っ!」
「ああ、そのつもりで待機している。慌てなくてもいい。10分程度で到着する。功太は速いからな。いつも通り、死神の安全。魂の確保。人命救助。それでいいな。報酬は、いつものようにこちらに振り込んでくれ。報告書も忘れるなよ。すぐに行くから待っていろ」
オレと悦子は大声で腹を抱えて笑った。
「お前とずいぶん違うな。オレはお前が天使に見えたぞ!」
オレはデヴィラに投げキッスをする。
「アイツはイザーニャ。あのデブ、さらに太ったな… …ストレス溜め過ぎて麻痺してるんだ。実態はチノのようにかわいいのだが、ズボラが過ぎたな。聞いての通りだ。場所は…」
モニターがここからの経路を示した。
「昨日と同じ感覚で見てくれていい。アイツのフロアはここから南東にある。距離は約500キロ。功太、飛ばしてくれ。さっきも聞いていただろうが、今回の仕事の優先順位だ。死神の安全。魂の確保。人命救助。無理もするな、怪我も許さん。そのつもりで、がんばってきてくれ、以上だ!」
「いってきます!」「いってくる」
オレ達はデヴィラに挨拶をしてから姿を消し、最大スピードでイザーニャのフロアに向かい飛んだ。
「なんと言ったらいいのか… …黒い服着た雪ダルマ?」
「コーちゃん、やめてぇー! 思い出すからぁー!」
災害が起こったのに呑気なふたりは笑いながら現地に向かった。
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