死神仕事の特別な条件

8/16

201人が本棚に入れています
本棚に追加
/2881ページ
 オレ達は悪魔イザーニャのフロアに降り立った。 「オレ達はどの地域に行けばいいのだ?」 「ああ、これを見てくれ。近くにたくさんいるがこれはこちらで何とかする。問題は少し離れた海沿いだ。三十分後に大津波が押し寄せる。それまでになんとか魂だけでも回収してくれ。決して怪我をするな、デヴィラちゃんに殺されるのはイヤだからな。がんばってきてくれ」 「了解だ。 …こら、エッちゃん、笑い過ぎだ。 …睨まれてたぞ…」  悦子は笑いに笑っていた。本当に、困った妹だとつくづく思った。 「うっそーぉ! 嵐になってるよ!」 「ああ、火災のせいだな。取りあえず魂の回収だ」  外に出たオレ達はひどい風雨に晒された。オレは悦子の手を決して放さずに魂の回収を行った。数は500ほどか。だが意外に早く回収できた。オレ達は人命救助に任務を移行した。 「でもこの状態じゃ、どこにヒトがいるのかもわかんないよ」  悦子の言う通りだった。雨は気にならないのだが倒壊した建物が邪魔なのだ。     
/2881ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加