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悦子は船を丈夫そうなビルの横に少し傾けて置いた。甲板に乗せた怪我をした人々を船から降ろそうとしたのだが、建物の中からヒトが現れた。人々は奇跡のように、オレ達の作業をただポカァーンと眺めていただけだ。
「エッちゃん! 一旦戻ろう! 魂を渡して、あとは指示待ちだ」
オレは人々から死角になる場所まで移動した。オレの動きは魂のおかげで悦子にもわかる。オレは一瞬現れた悦子の手を掴み、素早く大空高く飛び上がった。
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