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魂の回収が終了して、フロアに降り立った。
「…そうだろうな、倒れて当たり前だ…」
「…ごめんなさい …わたしが管理しないといけないんですけど、言うことを聞いてくれなくて…」
チノそっくりの堕天使がオレを上目遣いで見て言う。でもオレにはわかる。この子はチノではない。オレがおかしいのかと感じた。これほどそっくりなのに、この子を抱き上げたり頬ずりしたりすることを想像できなかった。
「キミの名前は? デヴィラのところにキミにそっくりの子がいるのだが…」
「はい、わたしはピノ。チノとは一緒に産まれました」
予想してはいたがチノにそっくりだった。だが、魂が違うように感じるのはなぜだろうという疑問が沸いた。
「イザーニャ、起きてるか? 起きてないとストレス抜けないぞ!」
イザーニャは起きているのだが目は開けられないようだ。しかし、うわごとのように口を動かしている。オレは耳を澄ます。
「…オレに触れるな… …お前…お前は…毒だ…」
官能的な服に白い染みが浮き出る。下半身も同様だ。
「ピノ、イザーニャの能力にヒトの考えがわかるものでもあるのか?」
「はい、悪魔では珍しくないのですがそういった能力はあります」
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