デヴィラの苦悩

5/9
201人が本棚に入れています
本棚に追加
/2881ページ
 オレはデヴィラを脅すようにデヴィラの眼を睨む。デヴィラは一瞬、『ビクッ』として、眼が泳いだ。 「…ああ、すまん、あ、いや、ごめんなさい。全部わたしが悪いの、許してください。ごめんなさい…」  こういった素直なデヴィラも好きなのだが、オレ達に指示するデヴィラも好きだ。だが、さっきのようなデヴィラは二度と見たくはなかった。デヴィラももう、わかっているはずだ。 「出る前に言ったよな、オレを意識するなと。そしてもうひとつの方法も伝えたよな?」 「…うん、今、使ってるの。効き目、すごくあるの…」 「じゃ、それを今すぐに解け。それがオレからの罰だ」  デヴィラは悪魔を見るような眼をオレに向け震えだした。 「…アア、許してください。もうしませんから。今解いちゃうと、わたし、わたし、死んでしまいます…」 「オレに殺されるのなら、文句はないんじゃあないのか? なあ!」  デヴィラはどちらにするのか悩んでいるようだ。 「まあいい、許してやるよ。お前の考えられない方法でそれを解いて、狂わせることもできるんだぜ」  オレは柄にもなく超悪役の言葉でデヴィラを脅した。デヴィラは、『信じられない!』という眼をオレに向け、さらに震えた。     
/2881ページ

最初のコメントを投稿しよう!