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予感(朔矢side)
「もしもし。」
俺は社長からの電話をとった。
『もしもし、片寄元気か?咲良ちゃんとはうまくいっているのか?』
第一声がこれかよ。
「ご想像にお任せします。」
俺は適当に返した。
本題はこれじゃないってわかっていたから。
『撤去作業進んでいるか?』
社長は俺たちより先に本社に戻って
次のプロジェクトに向けて動いているようだった。
「はい。」
『あと3週間くらいで完了すると聞いたが。』
「はい、最初の予定通りです。」
『そうか、片寄悪いんじゃが先に帰ってきてくれないか?次のプロジェクトにお前を加えたくてな。』
「…はい。」
俺は一瞬
間を置いてしまった。
その間を社長は聞き逃すわけもなく。
「片寄、言葉にしないと伝わらないこともあるって学んだじゃろ?」
一体どこまで知ってるんだ…
大山あたりから何か聞いているのかもしれない。
俺は1週間後に東京に戻ることになった。
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