雨揺心

1/3
前へ
/189ページ
次へ

雨揺心

じめじめする日が増えてきた。 春から始まった遊園地は梅雨になろうとしていた。   先月、片寄さんとは一緒に遊園地をまわって以来、時々話すようになっていた。 「榊原さん、どうした?」 「はい。あの…少しゴンドラから変な音がするような気がして。」 私が指摘したゴンドラを素早く見てくれる。 「少し時間かかる。少し運休できる?」 「はい!」 私はすぐに夏帆さんに運休の旨を話して、アナウンスを入れた。 平日ですいている時間だったから、お客様にそんなに迷惑かからなくてよかった! 片寄さんは仕事熱心で、絶対手を抜いたりしない人だった。 その姿に目が離せなくなることも… ってどうしちゃったんだ、私!
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加