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こういった店に祉摩はとても詳しく、顔が効く。
大学時代、久助の家で初めて顔を合わせ、
激しく誘われるまま三人で食事に出た時から、
外での食事はいつも二つ下の祉摩が店選びも予約もしてくれ、
今でもそれに甘えたまま、もう当然にしてしまっている。
店のセレクトは抜群で、どこで知り合うのか、
オーナーが知り合いという場合も多く、
特別なサービスが提供されることが常。
こういう機会を楽しみにしている部分も
ないとは言えなかったが、
如何せん乗り切らせない問題は、
祉摩だった。
「祉摩てめぇ、
足に使った俺には土産なしだったくせに十士にはあんのか。
これ見よがしにブランドの紙袋下げて来てると思ったら、
そういうことかよ」
「なによ、足って言っても、
なんだかんだ理由つけて空港までは来てくれなかったじゃん!
それにさぁ、
あんただって特別あたしにお土産くれたことないでしょ。
家族用にはちゃんとチョコ買って来てやったじゃない。
みみっちい男!」
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