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美人で快活、お茶目で奔放な祉摩は、
女性として十分魅力的だとは思うのだが、
どれだけ誘われ想いを告げられても、
そういった対象に変わることはなかった。
私生活に、
このパワフルさが入ってくることを想像できないのだ。
自分はもう枯れ始めているのかもなと、
座っているだけで発光しているような祉摩に、
やはり今夜も自嘲気味な溜息が出てしまう。
テキパキと皆の希望をまとめてくれる祉摩が
メニューに取り掛かってからは、
あっという間に注文作業も完了した。
ポリフェノールを取りたいからと、
祉摩がセレクトしたフルボディの赤ワインで乾杯をし、
やっと和やかな食事が始まる。
「ねぇ、リリちゃんはさ、今どこに住んでるの?
ってか、全然食ってねーな。
これ嫌い? じゃあこっち食べる? いらない?
じゃあ、これは?」
久助は一生懸命話しかけるのだが、
リリはほとんどの場合、
微かに首を振るか俯くかで、
祉摩と久助が張り切って取り分けてくれた食事にも
ほぼ手をつけていなかった。
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