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「久助が話を過剰にしているだけだよ。
ただ、女性の柔らかさは何物にも代えがたいだろう」
またここで、
久助は性懲りもなく口を挟んでくる。
「何言ってんだよ。
お前が怒るだろうからずっと黙ってたけど、
大学の時もお前のボランティアだとか、
本当は貢がせてるとか言われてたの知らないだろ。
デブで無口なブスがタイプのイケメンなんて、
性癖がおかしいド変態か金目当てって相場が決まってんだよ」
リリを挟み、
昼間のことも忘れ身を乗り出してまで失礼な事を言う久助は、
またも疳の虫に触った。
「今日のお前は、彼女達に名誉棄損で訴えられても仕方ない
暴言の数々という自覚はあるか。
もうかなり前に別れているとは言え、
真剣に交際した人をそういう風に言われるのは許せない」
つい、感情が口調になってしまう。
険悪なムードを察知した祉摩が、
だから十士さんって好きー、
と明るく場を盛り上げ直し、
とりなすようにパリでの話を始め、
久助も気まずそうながら相槌で反省する。
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