159人が本棚に入れています
本棚に追加
久助に、二度と過去の彼女達を
侮辱する発言はしないと誓うまで謝罪させ、
ようやく冷めたコーヒーを一口飲む。
この手の会話は、
自身の恋愛に協力させようとする久助が
よく持ち出してくる苛立ちだった。
「いや、性格は良かったけど、
うーん、
気遣いが出来るっていうか…でも、
あれはお前の二倍どころの太さじゃ…おっと、
すまん…お前が細長いんだな。
この通り、心から反省してる。もう言わない…」
「志摩ちゃんに比べたら見劣りする点もあったかもしれないが、
少なくとも僕にとっては今でも愛しむべき思い出の人だ。
人は姿形だけではないとお前もそろそろ学ぶべきだな。
華奢さなど、
ロリータコンプレックスに片足入れ始めたんじゃないのか」
謝罪が加わったその嘆願に
そこそこのワイン三本という約束をさせ、
渋々ながら腰を上げることにはなったが、
まったく気乗りはしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!