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第2章 オスの鶏がら持ち帰り
「こいつ俺の友達で、あ、祉摩も知ってるよ。
白鳥十士(しらとりとし)っていうんだ。
デカくて驚いたんじゃない?
日本人の体格じゃねーもんな。
中身はただの変な奴だから。
十士こちらがリリちゃんだ。
か、可愛いだろ」
べらべらと喋り続ける久助の興奮に呆れながら
形式的に頭を下げ、
俯き加減で顔も良く見えないリリに友好の意を示す為、
胸あたりのその顔まで腰を屈め口角を上げてみせる。
だが、リリとやらは頭も下げず、
固く結んだ薄い唇も動かさず、
ちらと目線を寄越しただけだった。
「きゃーっ、十士さん、
いつ見ても良い男!
バカ兄貴が横に並ぶと一層輝いて見えるわ~。
久しぶりに髪を下ろした十士さんも見たいー。
今夜、祉摩とシャワー浴びてくれても良いんだからね!
うふふ。あ、お土産があるのー。
こっち座って、私の隣! はやくー」
久助に負けず劣らずよく喋る祉摩の長い腕が絡み、
鮮やかな香水が鼻に忍び込む。
そこから、ラフなテーブル席ではなく、
奥の洒落たカーテンに仕切られるブースに案内された。
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