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「ばっ、だっ、誰が!!」
その手を彼が勢いよく払う。
「ほら、これが証拠」
制服のポケットから小さくなりかけた消しゴムを、じいちゃんが大好きな時代劇のご隠居さんの印籠のように出してみた。
慌てて彼が取り上げようとして、私はまたポケットに戻した。
「うっ……ぐ……」
「どうだ参ったか」
にやにやしながら、彼の顔を覗く。
「あれに書かれてたのって、私の名前だよね?そんでもって、持ち主は伊勢谷」
「うるさいっ。もう、お前なんか好きじゃないっ」
……。
「なあんだ、そうなの?じゃあ残念。帰るねー」
「えっ?え?残念て、何だよ?残念って!?」
「ん?残念は残念じゃん」
「だから、ちゃんと言えって!」
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