第六十三話馬鹿だから馬鹿なんだ

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第六十三話馬鹿だから馬鹿なんだ

…清正、私は後悔していない。 …豊臣を守れず、お前に生を奪われる羽目になったが… …俺はお前に豊臣の未来を託して死ねる。 秀頼様と淀様…千姫様を頼んだぞ? …あっさり死にやがって俺の思いなんか知らん癖に… アイツは馬鹿で馬鹿のまま死んで…俺も狸に毒盛られて死んだ。 再会したのは歪んだ戦国時代。 大阪城で太閤様に呼ばれた時、偶然ばったり会った。 気まずい六人はギクシャクしていたのに…一際アイツは俺に冷たかった。 …まぁ、当然だけどな。 「清正、どうしたんだ?」 物思いに耽っていた加藤に田貫は問い掛ける。 「ん?…いや、何でもねえよ」 苦笑して加藤は田貫に答えた。
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