第六十三話馬鹿だから馬鹿なんだ

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場所は戻り… 霊力を使った愛奈は眠ってしまい、光忠は心配そうに様子を見守っており… 大倶利伽羅、一期一振は三日月を警戒しており… 三日月は義輝にも警戒されながら呑気に愛奈の様子を見ていた。 他の身内達も喧嘩を辞め、心配そうに愛奈の様子を見守っている。 だが、鶴丸、竹中、浅井、一文字と信義の姿は無かった。 鶴丸達は、皆から少し離れた所に居た。 「俺を呼び出して何か様か?」 目を細め鶴丸は竹中に問い掛ける。 「愛奈の刀剣の中で…あんたが年長だし話が一番分かると思ってね」 クスッと笑って竹中は鶴丸に言う。 「某達にも様が?」 不愉快そうに浅井は竹中に問い掛ける。 「…温室育ち野郎には…本当は様なんて無いんだけど…刀剣に様があるんだ」 嫌そうな顔をして半兵衛は答えた。 「…俺達に?」 「胡散臭い…」 一文字はびっくりし、信義は睨み付ける。 「さっきの三日月の様子を見て俺は考えた。 刀剣の極…その練度の先を行く究極になるには…何かの条件さえクリアすれば出来るんじゃないかと思ってね…」 笑って竹中は四人を見据え答えた。 「条件…」 「だと?」 鶴丸と浅井は厳しい表情で竹中を見詰める。 「…見た所…鶴丸、愛奈と仲良しの刀剣四人から三日月と同じ気配を感じるけど…君達も闇墜ちして自我を保っているのかい?」 目を細め、竹中は鶴丸の表情を試すように伺いながら問い掛けた。 「…こりゃ驚いた…頭だけじゃ無く…勘も鋭いとは…」 苦笑して鶴丸は竹中に近付く。 「…生前から…俺は人ならざる怨霊の類いとか見てきた。 まぁ、今もだけど…病気で後先無かったからかも知れないけどね…」 笑って竹中は腰に手を当てる。 …今も…だと? …どうりで…顔色が悪いと思ったぜ… 浅井は驚愕し、鶴丸は納得する。 「…次は究極のお前ら刀剣に聞く。 俺の記憶が正しければ…俺と官兵衛さんの策で… 市を織田本陣に連れ戻したのを確認し、総攻撃を掛け小谷城落城と共に二振は鍛え直せない程焼け落ちて廃棄された筈…なんで刀剣になれたの? そして…なぜ究極なんかに?」 嘲笑う様に笑みを浮かべ、自分のこめかみに手を当てながら竹中は二人に問い掛ける。
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