第六十四話がはははっ!!…狩りがいがあると言うものよ!!

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「ん?人の気配…しかも血の匂いがするぞ」 不意に、近付いて来る気配に気付き膝丸は川の中で佇んだまま身構える。 「…ほう?」 岩徹も笑みを浮かべると、川の中で身構える。 『…敵か?』 目を細め頼朝は毛並みを逆立て… 『…』 無言で弁慶は小さな体で身構える。 ガサガサガサッ 「む?」 茂みから出てきたのは頼光様と高次だった。 『頼光様と…そちらは?』 びっくりして頼朝は問い掛ける。 「先程いた幼子だ。姿を自由に変える事が出来る様でな」 苦笑して頼光は教えた。 緊張して高次は頼光の隣で固まっている。 「その姿は…」 高次の今の姿を見て、膝丸は目を丸くする。 「膝丸…お久しぶりです」 緊張しながら高次は膝丸に挨拶した。 「久しぶり…だな」 複雑な表情で膝丸も挨拶を返す。 『お知り合いで?』 びっくりした弁慶は膝丸に聞く。 「知り合いも何も…コイツは…源氏の先祖だ」 呆れた顔をして膝丸は弁慶に答え… 『先祖だと… 』 『なんと…』 びっくりして弁慶と頼朝は固まる。 「先祖…先祖か…。ふむ。源氏の中でも俺は新しき方の薙刀。古き先祖とは驚いたぞ」 岩徹は腕を組み頷く。 「私にはいくつも前世があるんです。 平安、戦国、幕末、平成…と。 ここまで明実を…愛奈を守って頂きありがとうございます」 頭を下げ高次は礼を言う。 「礼などいらん。愛奈は俺達の主だ…」 膝丸は照れ臭そうに背を向け… 「礼を言うとは…愛奈の兄は丁寧な小さき者だな!! ガハハッ!守るのが俺達の役目だ!」 笑って岩徹は胸を張って言う。 「…」 嬉しそうに高次は微笑む。 「…っ」 気配に気付き、頼光は辺りを見回す。 「お話しするのが遅れてしまい申し訳ありませんっ! …先程、私達は山賊に襲われたのですが…三人程取り逃がしてしまったのですっ!」 四人に謝りながら、高次は状況を説明した。
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