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「敵と判断すれば…片っ端から斬り捨て…」
「味方なら接触を図りましょう」
笑って後ろの青年も言う。
「…散るぞ」
「「「了解!」」」
先頭の青年が号令を掛けると、三人は返事をし周辺にバラバラになって散らばった。
場所は戻り…
「見た所…竹中、あんたも管狐かも知れないが…病気の今の身体じゃ…空間繋げて若造を呼び込むなんざ無理だぜ 」
鶴丸は真っ直ぐ見据え竹中に答えた。
「っ…名刀だかなんだか知らないけど…刀ごときに言われたくないよ」
不愉快そうに竹中は鶴丸に言い返す。
「人間じゃなく…別な存在になったかも知れねぇ…それでも病気で苦しいのは生前と変わらないんだろ?
あんたは愛奈にとって大事な存在…
まぁ…そこにいる長政や義経、義輝もそうだが…誰一人欠けちゃ駄目だ」
悲しそうに笑って鶴丸は竹中に諭すように言う。
「…刀に言われるなんて…俺も落ちぶれたものだね」
溜め息をついて竹中は座り込む。
「お前は身体を休ませろ。此処には多くの刀剣や先人達が居る。
山賊の数が多くても…力を合わせれば勝てる筈だ」
竹中の前に来ると、真っ直ぐ浅井は言い放つ。
「これだから…温室育ち野郎は困るんだよ。
伝五郎一味に居る奴を知らないから言えるんだ」
竹中は真っ直ぐ見据え唇を噛み締める。
「…雇われ侍の他にも居るのか?」
驚いて浅井は竹中に尋ねた。
「あくまでも噂や情報だけしか分からないけど…秀吉や黒田さんに恨みを持つ元軍師が…六合と繋がっている筈だ。
賢い奴がいなけりゃ、山賊が…これだけ規模を拡大出来ないよ」
竹中は二人を見据え答えた。
「…まさか…あいつが…?」
目を見開いて鶴丸は愕然とする。
「…そんな軍師が居たのか?」
訳が分からない浅井は何処までも鈍く…
「温室育ち野郎…あんたも仕組まれていたんだよ…そいつに…」
笑って竹中は浅井に答えると目を閉じた。
……神子田正治……にね…
「「!!」」
「「!!」」
竹中が口にした名前に、鶴丸や浅井、一文字、信義も目を見開く。
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