第六十四話がはははっ!!…狩りがいがあると言うものよ!!

4/4
前へ
/857ページ
次へ
「敵と判断すれば…片っ端から斬り捨て…」 「味方なら接触を図りましょう」 笑って後ろの青年も言う。 「…散るぞ」 「「「了解!」」」 先頭の青年が号令を掛けると、三人は返事をし周辺にバラバラになって散らばった。 場所は戻り… 「見た所…竹中、あんたも管狐かも知れないが…病気の今の身体じゃ…空間繋げて若造を呼び込むなんざ無理だぜ 」 鶴丸は真っ直ぐ見据え竹中に答えた。 「っ…名刀だかなんだか知らないけど…刀ごときに言われたくないよ」 不愉快そうに竹中は鶴丸に言い返す。 「人間じゃなく…別な存在になったかも知れねぇ…それでも病気で苦しいのは生前と変わらないんだろ? あんたは愛奈にとって大事な存在… まぁ…そこにいる長政や義経、義輝もそうだが…誰一人欠けちゃ駄目だ」 悲しそうに笑って鶴丸は竹中に諭すように言う。 「…刀に言われるなんて…俺も落ちぶれたものだね」 溜め息をついて竹中は座り込む。 「お前は身体を休ませろ。此処には多くの刀剣や先人達が居る。 山賊の数が多くても…力を合わせれば勝てる筈だ」 竹中の前に来ると、真っ直ぐ浅井は言い放つ。 「これだから…温室育ち野郎は困るんだよ。 伝五郎一味に居る奴を知らないから言えるんだ」 竹中は真っ直ぐ見据え唇を噛み締める。 「…雇われ侍の他にも居るのか?」 驚いて浅井は竹中に尋ねた。 「あくまでも噂や情報だけしか分からないけど…秀吉や黒田さんに恨みを持つ元軍師が…六合と繋がっている筈だ。 賢い奴がいなけりゃ、山賊が…これだけ規模を拡大出来ないよ」 竹中は二人を見据え答えた。 「…まさか…あいつが…?」 目を見開いて鶴丸は愕然とする。 「…そんな軍師が居たのか?」 訳が分からない浅井は何処までも鈍く… 「温室育ち野郎…あんたも仕組まれていたんだよ…そいつに…」 笑って竹中は浅井に答えると目を閉じた。 ……神子田正治……にね… 「「!!」」 「「!!」」 竹中が口にした名前に、鶴丸や浅井、一文字、信義も目を見開く。
/857ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加