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「神子田正治…奴の目的は何だったんだ?…そこまで謀略に謀略を重ねるなんざ…毛利さえも越える器だぜ?」
冷や汗を掻いて鶴丸は竹中に問い掛ける。
「あいつは地位に固執していた。だから…秀吉を自分が仕える主として見合う立場に押し上げ…尚且つ、邪魔な官兵衛さんと俺を消そうとしたんだ」
笑みを消した無表情で竹中は鶴丸に答えた。
「…嵌められた…のだな…俺達は…」
「悔しいけど…まともだと勝目が無いんだ…神子田は恐ろしく頭がキレるから…」
浅井が辛そうに言うと、竹中も悔しそうに頷いた。
「…人間がまともだと勝てないなら…今は刀剣の俺達が居るじゃねぇか?」
何を思ったのか、鶴丸は笑って二人に言う。
「「?」」
信義と一文字は目を見開いた。
「刀剣が居たって…勝てるか分からないよ?水攻めが出来ないのに」
理解に苦しむ感じで、竹中は鶴丸に言い返す。
「俺の歴代主…信長や政宗だって絶望と言われた戦に勝ってきた。
…桶狭間とか金ヶ崎や、小田原、長谷堂とかな!
様は気合いと根性…運と風向き…そして形勢を覆す力があれば…勝てんだろ?
…俺達も究極になれば…碁盤を引っくり返せるんじゃねぇか?」
笑って鶴丸は竹中に尋ねた。
「待て…鶴丸…まさか…」
鶴丸の言葉に浅井は驚愕し…
「他の奴らは俺が説得する。竹中、俺は究極になる事に賭けて見るぜ。
そして…俺達は折れずに究極となって愛奈を守る。
それまで…愛奈をどうか守って欲しい」
鶴丸は竹中に頭を下げ頼んだ。
「…刀が愛奈を…そこまで思うなんて…ムカつく。
刀剣が刀の分際でふざけんじゃねぇよ。
…不愉快極まりないけど…愛奈は俺が…俺達が守るよ。
でも勘違いするなよ?鶴丸に言われたからじゃない…。
愛奈は俺の大事な人だから守るだけだ」
真っ直ぐ竹中も鶴丸を見据え答えた。
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