第六十五話闇将と六合

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「…はっ!あんたは昔から腹黒いよな…」 苦笑して鶴丸も顔を上げた。 「某も忘れて貰っては困る…!」 慌て浅井が二人に叫ぶ。 「てめぇは空気にしか見えないよ」 笑って竹中は浅井を挑発し… 「空気だと…!?歩く凶器チビ軍師に言われたくないっ!」 負けじと浅井も言い返す。 「やんのかっ!?」 「上等だ!!」 竹中と浅井は睨み合いになると…たちまち口喧嘩が始まってしまう。 「やれやれ…」 苦笑いして鶴丸は座り込む。 「だが、長政様は楽しそうだ。今まで気掛かりだった神子田の事…これでケジメが付けられる」 珍しく一文字は長く言葉を話す。 「鶴丸、お前に礼を言うぜ。長政様に機会を与えてくれてありがとうな!!長政様は…ついに立ち上がってくれたんだ」 嬉しそうに信義は鶴丸に礼を言った。 「礼なんざいらねぇよ。俺は言うべき事を話しただけなんでな…。 簡単に死なれちゃ…愛奈が悲しむから…あくまでも後押ししただけだぜ」 笑って鶴丸は信義に頷いた。 同じ頃… 「っ!! 」 島は背後から後頭部に銃口を突き付けられ、目を見開いて硬直する。 「左近っ!?」 霧時雨は気付いて駆け寄ろうとするが… チャキンッ 「動くな。動いたら脳天ぶち抜いて折る」 笑って可愛いらしい少女が、霧時雨の真横から銃口を突き付けた。 「答えなさい。何故豊臣軍か幕末に? …まさか歴史を修正する気ですか?」 女性の様に甲高い声で、青年は左近に問い掛ける。 「…貴方は…」 青年を見て島は驚いた。 半兵衛と瓜二つの幼い顔立ち、旅装姿の青年は笠を放り投げると… 月夜に照らされ、更に怒った表情も瓜二つ。 「重門君…なんで君が?」 島は名を呼んで苦笑する。 「訳あって時代巡り同好会の皆と…諸国漫遊の旅をしています。 手始めに…幕末の旅を始めた所…豊臣の軍旗が見えたので…」 重門は目を細めながら訳を話した。 「成程…同好会のお仲間と言えば…三郎様に成実君、豊久君ですね。 けど…歴史修正主義者って決め付けるのはあんまりだと思うんですがね?」 苦笑して島は両手を上げた。
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