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「…はっ!あんたは昔から腹黒いよな…」
苦笑して鶴丸も顔を上げた。
「某も忘れて貰っては困る…!」
慌て浅井が二人に叫ぶ。
「てめぇは空気にしか見えないよ」
笑って竹中は浅井を挑発し…
「空気だと…!?歩く凶器チビ軍師に言われたくないっ!」
負けじと浅井も言い返す。
「やんのかっ!?」
「上等だ!!」
竹中と浅井は睨み合いになると…たちまち口喧嘩が始まってしまう。
「やれやれ…」
苦笑いして鶴丸は座り込む。
「だが、長政様は楽しそうだ。今まで気掛かりだった神子田の事…これでケジメが付けられる」
珍しく一文字は長く言葉を話す。
「鶴丸、お前に礼を言うぜ。長政様に機会を与えてくれてありがとうな!!長政様は…ついに立ち上がってくれたんだ」
嬉しそうに信義は鶴丸に礼を言った。
「礼なんざいらねぇよ。俺は言うべき事を話しただけなんでな…。
簡単に死なれちゃ…愛奈が悲しむから…あくまでも後押ししただけだぜ」
笑って鶴丸は信義に頷いた。
同じ頃…
「っ!! 」
島は背後から後頭部に銃口を突き付けられ、目を見開いて硬直する。
「左近っ!?」
霧時雨は気付いて駆け寄ろうとするが…
チャキンッ
「動くな。動いたら脳天ぶち抜いて折る」
笑って可愛いらしい少女が、霧時雨の真横から銃口を突き付けた。
「答えなさい。何故豊臣軍か幕末に?
…まさか歴史を修正する気ですか?」
女性の様に甲高い声で、青年は左近に問い掛ける。
「…貴方は…」
青年を見て島は驚いた。
半兵衛と瓜二つの幼い顔立ち、旅装姿の青年は笠を放り投げると…
月夜に照らされ、更に怒った表情も瓜二つ。
「重門君…なんで君が?」
島は名を呼んで苦笑する。
「訳あって時代巡り同好会の皆と…諸国漫遊の旅をしています。
手始めに…幕末の旅を始めた所…豊臣の軍旗が見えたので…」
重門は目を細めながら訳を話した。
「成程…同好会のお仲間と言えば…三郎様に成実君、豊久君ですね。
けど…歴史修正主義者って決め付けるのはあんまりだと思うんですがね?」
苦笑して島は両手を上げた。
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