第六十六話参ろうか?兄者殿?

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「愛奈が光ってる…」 寝かせている愛奈の身体が光輝き、光忠はびっくりする。 フワッ 「桜…?」 周囲に桜の花弁が舞い、大倶利伽羅は目を見開く。 「これは…一体…」 掌に桜の花弁が乗り、一期一振が首を傾げた。 唐突に目の前に障子が現れる。 「なんだ!?一体…」 びっくりして不動は立ち上がる。 「…極みの障子か?いや…違う…これは…」 薬研も目を見開く。 ゴオッ やがて障子が紅蓮の炎に包まれる。 「…何でしょうか?敵ですか?」 義経の隣で今剣は障子を見詰め警戒しており… 「同じ気配がする…恐らく三条刀だな」 顎に手を当て、三日月は障子を見る。 「三条刀だと?お前で最後では無いのか?」 びっくりした義輝は尋ねる。 「一般的に言われているだけだ。実際に俺が最後かは分からぬさ」 障子から目を離さないまま三日月は義輝に答えた。 「…あれは…」 宗三は眉を潜め障子を睨み付ける。 「…敵…か?」 冷静に信長は障子を見詰めた。 「…敵なら斬り捨てるのみだ」 ヤル気満々に長谷部は鞘に手を掛ける。 同じ頃… 「くっ!やはり劣勢か…」 山賊達と刃を交えながら、膝丸は悔しそうに太刀を振るう。 「…元より俺達は万全じゃない。劣勢になるのも仕方無き事…」 ブンッ 一瞬で岩徹は薙刀を振るい、山賊の首を数人一気に斬り捨てた。 「しかし…これでは…」 高次は悲痛な表情で太刀を握り締める。 「打開策は…何か無いのか…」 太刀を振るい、頼光は冷や汗を掻く。 「心配して来てみれば…やはりな」 ザシュンッ 高次の背後に居た山賊を、歌仙が打刀で斬り捨てる。 「貴方は細川殿の…」 歌仙を見て高次はびっくりする。 「姿は少し違うが…京極殿、お久しぶりだね。しかし…まさか山賊が襲い掛かるなんて…統率が取れ過ぎている。 …軍師か何かがいるんじゃないかい? 脳無しの烏合の衆じゃ無理だろう」 ザンッ 高次に挨拶しながら、歌仙も右から来た山賊の首を跳ねた。 「僕も居るのでお忘れ無く!忠興様の命により助太刀致しますっ!」 慌て江も駆け寄り、脇差しを鞘から引き抜いた。 「籠手切…?…飾られていた脇差でも闘えるのですか?」 目を点にさせ、高次は江に聞く。
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