第六十八話新撰組と花魁と源氏と次郎さん

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第六十八話新撰組と花魁と源氏と次郎さん

『愛奈達の様子がおかしいっ!』 タッ 盛親は様子が不穏な洞窟に向かって走り出す。 『盛親っ!?』 慌て親忠も追い掛け… 『二人ともっ!?待ちなさいっ!』 二人を見て信親も追い掛け走り出す。 「カワウソ三兄弟が行っちまったけど?大丈夫か?」 気付いて日本号は首を傾ける。 「ほな、自分等も行きましょか?」 苦笑して明石も頷き… 「…」 洞窟を見て、次郎は怪訝そうに首を捻る。 「次郎さん?どないかしたんどす?」 様子に気付いて明石は次郎に聞く。 「嫌ね…洞窟から刀剣だけど刀剣じゃない気配がするんだよ…」 不安そうに次郎は答えた。 一方… 「…んあ?…あいつら急に立ち上がったけど…どうかしたのか?」 兼定は向かい側に座る次郎達の様子を見て目を丸くした。 「何だか様子がおかしいね…」 兼定に言われ、堀川も気付いて不思議そうな顔をする。 「何かトラブルでもあった訳?」 「さあ?でも気になるな」 加州が聞くと、安定も苦笑して首を傾ける。 「……愛奈の身に何か?」 国重は仏頂面に少し冷や汗を掻いて呟く。 「えっ!?でっでもさ…洞窟に居るのは強い奴等なんだろ? いくら何でもない大丈夫だって…あ…でも不安になって来た…」 兼重も国重に言われ、涙目になって来た。
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