第六十八話新撰組と花魁と源氏と次郎さん

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…俺達…どっかで教育間違ったか?いや…刀年齢はコイツらが上だけどさ… …でも俺にも副長の刀として面子がある訳で… …子育てじゃなくて…新撰組の刀剣として今更だけど…まともな教育受け直させる方が良いかな… …僕は大丈夫、返り討ちに出来るけど兼さんが寝首掛かれないか心配だよ… 兼定と堀川は、二人を見ながら百面相して考え込む。 「あれ?新撰組も愛奈の所に行くみたいだぜ?」 獅子王は気付いて指差す。 『本当ですね…』 言われて頼政も気付いた。 「…次郎達も向かってるね…何かあったのかな?」 石切丸も不思議そうな顔をして顎に手を当てる。 『我々も行って見ましょう』 コクンと頼政は頷いて皆に促す。 『…そうですね。ん?あれ?いつの間にか…細川殿達の姿が見当たりませんね』 気付いた頼平は辺りを見回した。 『何処に行ったんでしょう?…それに大兼平と鴬丸も居ませんよ』 頼平に言われ、頼政も二人が居ないことに気付く。 「我々も愛奈の所へ行って見よう。…居ない事も知らせなくてはね」 「そうだな」 石切丸が言うと、獅子王も頷いた。 四人も新撰組に続いて愛奈達の元へ向かうが… 「花魁が居る…」 変な顔をして、沖田は真っ先に口にした。 愛奈達の前に、確かに花魁が居たからだ。 「花魁…花魁か…頼んだのか?」 土方も呆れた顔をする。 「金有りそうには見えないけど?」 「うむ」 平助と斎藤も顔を見合せる。 「…次郎さんは歌舞女形だけど…あれはどう見ても本格的…」 「女に見える…メイクとかバッチリじゃん」 加州と安定も困惑して唖然とする。 「……でもさ…胸無くねぇ?」 「腕とか足も太い…」 兼重がツッコむと、国重も目を細め頷く。 「…気のせいか?こいつから…人間の気配と同じ刀剣の気配と…二種類の気配が感じるんだが…」 冷や汗を掻いて兼定は目を見開く。 「気のせいじゃないよ。僕も感じる…何だろう…今まで感じたことが無い気配だよ」 堀川は、真っ直ぐ見据えながら答えた。 「…ド派手な姉ちゃんか?にしては図体が…でかすぎじゃね?」 目をパチクリさせ獅子王は呟く。 「確かに…あの体格じゃ三日月や大兼平と特に変わらないね」 獅子王の言葉に石切丸も頷いた。 「あたしのライバル…かい?」 ジェラシーを感じ、次郎は目を細める。
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