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第六十九話再会と風流人鬼と化す
織田と浅井の政略結婚。
好いていた者と引き離され…妾はいつも小谷城で泣いていた。
『市姫様…また泣いて居られるのですか?』
前後左右に目でも耳でも付いてるのか…何処かから必ず海北殿が来てくれたのだ。
『…まだ慣れませぬか?…織田とは違いますからなぁ…』
黙ったままの妾に、海北殿は困った顔をして隣に座ってくれた。
『またいつもの話でも致しましょう。
長政様の面白い話なら沢山ございますれば…市様の気持ちも軽くなるかも知れませぬぞ』
…その爺軍師は、何かと妾を気に掛けてれた。
笑って爺軍師は…妾の頭を撫でては長政様の面白い話を聞かせてくれたんだ。
その甲斐があってか…長政様と共通の話題に触れる事が出来て距離が縮まった。
けど…長政様は織田から頻繁に訪れた軍師に頻繁に謁見するようになってから人が変わった。
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