第六十九話再会と風流人鬼と化す

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『俺の友人とな?…清正?正則?秀康?…うーん…直政!』 一生懸命に細川は思い付く名を歌仙に当てるが… 『残念だが、的外れだね』 笑って歌仙は袖口で口許を隠した。 『…分からん…友人関係は広いからな』 疲れた顔をして、歌仙に振り返ると細川は座り込む。 『まあね。…君は好かれていたから…豊臣、徳川でも友好的な将が居ただろうね』 納得して歌仙は再び、空になった湯飲みに急須を傾け熱い茶を注いだ。 ……二段階目なら…三段階目になれる筈… 細川は回想から戻ると、太刀を見詰めながら頷くと… 『お前の主は確かに…お前の目の前で二度死んだかも知れぬ。 …けど、そのあと…俺の血を引く子孫が霊界から連れ戻し…今も俺達と共に居る』 決心して細川は太刀に教えた。 『嘘だ…信じられない…』 ぐずついて太刀は信じようとしない。 『ならば…貴様は現実を捨て…刀の本懐も遂げられずに朽ち果てるか?』 真っ直ぐ見据え、細川は太刀に問い掛ける。 『…それも嫌だ。刀は戦場にあってこその道具。 惨たらしく朽ち果てるなんぞ…源氏の名折れ…』 太刀は細川に言われ、気分を害したのか憤慨しながら言い返した。 『ならば…騙されたと思ってついて来い。必ず主に会わせてやる』 真っ直ぐ見据え細川は太刀に言う。 『貴様なんぞに言われるとは…癪に障るが…分かった。ついて行ってやる』 不愉快そうだが、渋々太刀は了承した。
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