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気取られぬ様に、細川は最新の注意を払って裏口のガラス戸を開くと…
予想していた通り…外には誰も居ない。
「良し、今だ!」
「あぁ!」
細川に言われ顎丸も頷くと…
ガラス戸から素早く二人は外へ出た。
しかし…
「…なんだ?お前らは…」
「いつの間に侵入しやがった!?」
近くに居たのか、山賊達が二人を取り囲む。
「…細川、こいつらは…」
「死人だ。すまん…俺も爪が甘かった様だ」
気付いた顎丸は冷や汗を掻き、細川も謝り目を細め頷いた。
「…ならば…推し通るまで!!」
フォンッ
瞬時に顎丸は太刀を出現させ、鞘から太刀を引き抜く。
「…流石は源氏。…久々に暴れるか…風流を好むが…鬼になるしかあるまい」
苦笑して細川も、打刀の歌仙を出現させ鞘から引き抜いた。
同じ頃…
キーンッキンッ
「ん?どうやら脱出失敗した様だ。剣戟の音がする…」
裏口の方から音が聞こえ、鴬丸は立ち上がる。
「…ちっ、だから無理だと言ったのにさ」
呆れて虎御前も立ち上がった。
「そんじゃ…手筈通り暴れようじゃないか」
楽しそうに大兼平も笑って立ち上がる。
そして三人は、木から飛び降り細川達の元へ駆けて行くのだった。
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