番外編①政宗は雑魚!雑魚なの!

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ある昼下がりの本丸。 「なぁ、なぁ…みっちゃん…」 「なんだい?貞ちゃん…」 台所で皿を洗っている光忠は、貞宗に話掛けられ振り返る。 「…昨日万屋で買って来た戦国系のゲーム…愛奈の奴、ゲーム専用の部屋で徹夜でやってんだよ。 俺や物吉もさ…注意したり怒っても聞かなくって…。 みっちゃん、愛奈を怒ってくれねぇか?」 困った様子で貞宗は光忠に頼む。 「愛奈が徹夜でゲームを?愛奈ってば…仕方無いな…僕が怒って上げるね」 呆れた顔をすると、光忠は蛇口を止め手をタオルで拭いた。 貞宗と共に光忠が部屋に行くと… 「せいやっ!とりゃ!」 『とうっ!はぁっ!』 ズバッザシュッ 愛奈が叫びながら、男性のキャラクターを操作し並み居る敵を次々と斬って行く。 「こーら!愛奈っ!」 呆れた光忠は愛奈に怒る。 ピッ 「何奴!?己っ!!曲者かっ!?」 びっくりした愛奈は、ゲームを一時停止して目を丸くする。 「その口振り…完全にゲームと同じだし…」 貞宗は溜め息をついた。 「ハマるのは仕方無いけど、徹夜は駄目だよ? ちゃんと寝なさい。何事も規則ただしくだからね?」 膝を付くと、光忠は目線を愛奈に合わせて諭すように言う。 「…ごめんなさい…今日はちゃんと寝るね」 光忠に言われ、愛奈は素直に謝った。 怒られたのが効いたのか…その夜はちゃんと愛奈は自分の部屋に戻り寝た。 「たっだいま…両兵衛帰還したよ!」 遠征から帰って来て、竹中は玄関から入って来た。 「お帰りなさい。愛奈とチビッ子達は寝ているから静かにしてよね」 割烹着姿の虎御前が竹中に注意する。 「ありゃ?他の刀剣とぬいぐるみ達は?」 びっくりして竹中は尋ねる。 「遠征とか出陣していて居ないよ。燭台切も夜から遠征で居ないし…。 今居るのは…私と博多くらいかな? 博多もさっきまで起きていたんだけど、愛奈が眠れなくてさ…。 貞ちゃん達も遠征で居ないし…不安見たいで添い寝している」 苦笑して虎御前は説明した。 「博多が添い寝…か。うむ。見た目は子供だが中身は中年の守銭奴…子守りなど容易いだろう」 納得して黒田は頷く。 「いやいやいやいや…博多を中年の守銭奴って…いや、事実だけど絵的に不味いよね…官兵衛さん…可愛くないよ…全然可愛くない…」 青ざめて竹中は凍り付いて否定しまくる。
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