番外編①政宗は雑魚!雑魚なの!

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「奴は子供に見えるが子供じゃない。常に愛奈、金、黒田家しか考えて居ない」 呆れた顔をして黒田は言う。 「いやいやいやいや!!愛奈は分かるけど…黒田家より金を先に考えているの最悪じゃん…」 冷や汗を掻いて竹中は黒田に突っ込む。 「……金こそが全て…あいつは昔、山伏と寺に籠り悟りを開いて察したらしい」 感心するように目を細め、黒田は嬉しそうに話す。 「質素倹約家だったから…反動が博多に出たんじゃないの…」 げっそりして竹中は項垂れる。 「故に…私も金を溜めてる。溜め込んで本丸を旅館に増築するのだ。 …狭間の世界と、現代の人間界から客を呼び込めば収入が増えるだろう。 愛奈を小学校から大学まで生かせるには金を用立てねばならぬ」 現実的に黒田は言うと、「じゃあな」と言って部屋へ戻って行った。 「素晴らしい現実的な黒田様…半兵衛も見習えば?」 「…質素倹約…難しいから無理。寝ることが好きだもん」 「寝てばかりいると王家の谷に眠るファラオになるよ?」 「なっても良いよ。俺の眠りを醒ました浅井長政限定で呪いを掛けるからな」 「お前が長政の事を言うと冗談じゃなくて本気になるよ…」 「半分以上が本気だし?」 「本気かよ…」 虎御前と竹中の漫才は続く… 同じ頃… 「トイレ…トイレ…」 トイレに起きた秋田は、目を擦りながら廊下を歩いていた。 「…?」 不意にゲーム専用の部屋を見ると灯りがついていてびっくりする。 …こんな時間に誰だろう…? こっそり覗くと… 「…ふむ。これが愛奈のお気に入りゲームか…」 風呂上がりで、浴衣姿の黒田が興味津々にゲームのパッケージを見ていた。 「黒田様?」 びっくりして秋田は黒田に声を掛ける。 「起こしてしまったか?すまぬ事をした…」 秋田に声を掛けられ、黒田は申し訳なさそうに謝る。 「いえ…トイレに起きただけです。部屋の灯りがついていたので…お気に為さるのでしたら僕が教えましょうか? 主君とplayしていたので分かりますよ」 笑って秋田は黒田に声を掛ける。 「ならば言葉に甘えるとしよう。宜しく頼む」 素直に黒田は秋田に頼んだ。 「分かりました。えっとですね…」 秋田は笑顔で頷くと、本体の電源を付け…セーブデーターを読み込むとゲームのオープニングが流れる。 女性や男性が好きそうなイケメン、美女のカッコいい映像だ。 次に武将作成画面が開いた。
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