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「…恐れながら…御無礼御許し下さい。
…土方は狡猾でズル賢い。
この私も奴に嵌められ殺されたのですから…しかし、山賊との一戦交えた後となると…旅費は嵩む筈…奴等に備えがあるとは思えません」
真っ直ぐ見据え芹沢は光國に進言した。
「ふむ…確かにな…」
顎に手を当て、光國は眉を潜める。
「大所帯で行動するなら…資金繰りは必要不可欠…しかし、水戸徳川家で表立って援助などすれば…返って愛奈を危険に晒してしまい兼ねません…」
三つ葉も心配して光國に進言した。
「…金欠なら厳しいですよね…愛奈が飢え死にしたらヤバくないですか？」
笑って繁光も皆に問い掛けた。
「「「「「愛奈が飢え死にっ！？」」」」」
衝撃を受け皆は白目を剥く。
「…それだけは避けねばなりませぬ。光國様、恐れながら私に名案が御座ります」
芹沢は光國に進言した。
「…名案…とな？」
キョトンとして光國は尋ねる。
「…実は…」
芹沢は光國にある進言をした。
数時間後…
「弥七、居るか？」
芹沢達を駕籠に乗せ、丁重に送った後静かになった光國は静かになった謁見の間で声を掛ける。
シュンッ
「此処に…」
忍装束姿の青年が、光國の目の前に現れ膝をつき頭を垂れた。
「急ぎ…鉾田に居る山崎と厚に頼め。ついでだが…山賊と交戦中の土方らに助太刀せよとも命じておけ。
…まぁ、言わずとも本人等も行くつもりかも知れぬがな」
笑って光國はバサッと扇を拡げた。
「承知致しました」
シュンッ
一瞬で青年はその場から姿を消す。
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