第七十話水戸語りと新撰組の鴉

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木から木へ飛び移りながら… 「…あーもう…しつこい…」 厚は後ろから問い掛けて来る初老の男性にイラつく。 シュンッ 「…!?」 目の前で厚の姿が消え、初老の男性は目を見開くが… 「おりゃっ!」 ドスッ 真上に移動していた厚は、短刀を構え上から初老の男性の頭に突き刺した。 ザアッ 厚の目の前で、初老の男性は砂に変わり消え去る。 「…やっぱ死人…か」 鞘に短刀を納めると、厚は目を細めた。 同じ頃… 廃墟となった寺院内を女性?は追われていた。 「待てっ!!逃がさぬ!!」 女中が低い声で叫ぶ。 「あっら?ん?野太い声…男ですやん」 笑って女性?は急に立ち止まると、髪止めを引き抜いて構え… 「がっ!?」 急に反応出来ず止まれなかった女性は、女性?に一瞬で首に髪止めを突き刺され絶命し… ザアッ 死体は砂となり消え去った。 「死体使いなはるなんて…趣味わるいんとちゃいますか? …松永ってオッサン…坂本はんから死んだ聞かされましたんやけど…胡散臭いで。 …おー怖怖、早いとこ厚と合流せなあかんな」 笑って女性?は薄く笑みを浮かべた。
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