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「…やっぱり予見していた通り…死人か…」
厚と女性?から報告を受け武市は難しい顔をして考え込む。
女性?は、艶やかな姿から一変、短髪に忍装束を着た青年の姿に変わっていた。
山崎丞。
生前は新撰組監察方として、土方の命令で諜報活動や、潜入調査を主としていた。
…戊辰戦争の際に、土方を庇って射たれ海に埋葬された。
今は、土方と光國、坂本の命令で動いている。
「…死人だと手応えねぇから微妙だぜ」
山崎の隣で、黒い軍服姿の少年が胡座を掻いて座っている。
厚藤四郎。
粟田口の短刀の刀剣で、鎧通しに分類されている。
薬研、後藤、信濃、乱と同じく短刀の中で年長組。
「……しっかし…鉾田に死人が居たっちゅう事は…水戸も危ないぜよ。
恐らく光國様達の近くにも居ると考え相違なか…」
坂本も、相変わらず頭に地蔵のぬいぐるみをかぶったまま頷く。
「…だとしたら早く水戸に行くべきだが…水戸には長州の奴等も居る。
無闇に動けば…わしら土佐の面々も面が割れる恐れがあるぜよ…」
難しい顔をして陸奥は腕を組む。
「…どうした物か…」
朝尊も不安そうに俯いた。
「…水戸も心配は心配やけど…光國様には悪いねんけど…簡単にやられる様な人じゃ無いと思てんねん。
…せやけど、問題は土方はんらと、愛奈達ですわ」
目を細め山崎は坂本に話を切り出す。
「…古巣の連中が心配か?」
挑発するように武市は問い掛ける。
「…当然やろ。俺は医者も兼任していたんな。
皆が万全じゃないのは百も承知…ましてや源氏はん等も負傷しているのに山賊とやり合うなんざ…自殺行為や」
武市を見詰め山崎は言い返した。
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