第七十話水戸語りと新撰組の鴉

10/10
前へ
/857ページ
次へ
「坂本も武市も…朝尊もさ…良く気付いたな?俺に気付いて即座に演技をするとは…」 笑って弥七は二人に振り返った。 「なっ!?なんじゃって!?三人はずっと弥七さんの存在に気付いて演技をしちょったちゅーんかっ!?」 それにびっくりして陸奥は三人を見回す。 「弥七さんの気配に気付かないとは…まだまだ未熟だ」 呆れて朝尊は溜め息をつく。 ガーンっとショックを受け、陸奥は白目を剥いた。 「しかし…仲間の為なら殺す事も厭わない…新撰組は素晴らしい忍を持っている。 まだまだ半人前だが、鍛えれば俺も越えられるかもな。 ……流石に風魔や服部、真田十勇士には敵わんだろうが…成長は楽しみだと思ったのは初めてさ」 嬉しそうに笑って弥七は四人に言った。 …どうか…間に合ってくれ!!俺達が行くまで!! …死ぬんじゃねぇぞ!!皆…っ!! 山崎と厚は、闇夜を駆け抜けながら必死に願っていた。
/857ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加