第七十一話妾が策を練る…全員従うように…

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メラメラ燃える北之庄城… 俺は海北に言われた事を守れなかった… 『半兵衛っ!!』 笑った俺の大事な姫を守れなかったんだ。 だから…今度は必ず守りたい…愛奈を失いたくないから… 「…」 竹中は目を醒まし、辺りをキョロキョロ見回す。 ……?…… 自分は誰かの背中に乗っている様で、思考も上手く定まらない。 後ろを信義と一文字が歩いており… 隣は鶴丸が歩いている。 「わっ!?」 誰の背中が分かり、竹中は青ざめて声を上げた。 「お?目を覚ましたか?」 気付いた鶴丸は竹中に声を掛ける。 「長政様に感謝しろ。俺達は捨て置く気でいたが…長政様が貴様を運んで下さっているのだ」 目を細め、信義は竹中に言う。 「長政様は御優しい…」 一文字も仏頂面で一言言うと頷いた。 「ふざけんなっ!!誰も頼んでねえよ!! …男に…しかもお前に貸し作る気なんてない!! さっさと降ろせ!!降ろしやがれ!!」 慌てる竹中はジタバタ暴れるが… 「こら!!暴れるでないっ!! 某も男を背負う趣味など持ち合わせては居ない!! けど…お前に何かあれば愛奈が悲しむ!! 愛奈の為に某は貴様に手を貸してやってるのだ!!」 必死な表情で浅井は竹中を諭すように言った。 「っ……!」 浅井の言う通り、愛奈は心配するに違いない。 悔しくて竹中は黙り込んだ。 …素直になれば良いんだけどな…人間って本当に面倒な生き物だね… …ここは一つ…俺が一肌脱ごうか? 笑って鶴丸は企んだ表情になり… …良し!これだ! 閃いた鶴丸は決心する。
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