第七十一話妾が策を練る…全員従うように…

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『それが…愛奈の元に現れた刀剣にも知らせた所…策を練るから竹中達も戻り次第従えと…』 困った顔をして、獅子王の肩の上に乗る頼政が竹中に言う。 「は?」 意味が分からず竹中は目が点になる。 「…何だ…その刀剣は?」 浅井もびっくりして目を丸くする。 「…刀剣が策を練るなんてびっくりだぜ」 鶴丸もびっくりする。 「どいつだ…そんな妄言ほざく刀剣は…」 「馬鹿馬鹿しい…刀剣の風上にも置けない」 一文字と信義も怒り心頭になった。 「浅井、行け!馬鹿な刀剣の面拝みに行く!」 竹中は浅井の頭を掴み命令する。 「命令するな!馬鹿軍師っ!」 文句言う浅井だったが… タッ 愛奈の元へ向かって走り出す。 「あっ!来た!」 駆け寄ると、光忠に抱っこされている愛奈は二人に気付いた。 「…お帰り…って…何でおんぶしてるんだい?」 浅井が竹中をおんぶしてるので、光忠はびっくりする。 「「聞かないで」」 竹中と浅井は同時にハモった。 「それより…鶴丸殿、一文字、信義…時間がありませんぞ」 慌て一期一振が三人に言う。 「分かってるぜ。それより馬鹿な事言ってる奴は何処だ?」 鶴丸は一期一振に答えると、周りを見回し… 「妾だが?」 不愉快そうに無月が出てきた。 「…っ!?」 鶴丸は目を見開いて固まる。 「…貴方は…」 「姿は違う…だがこの気配は…」 一文字と信義は、無月の正体に気付く。 「…爺や?」 浅井も気付いて目を見開いた。 「あんたは…」 竹中も気付いて固まる。 「久しぶりで御座います…長政様…話は既に聞きました。 …格なる上は我が策を披露致しましょう」 固まる信長の頭を撫で、笑って無月は答えた。
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