第七十二話私の命令を聞くが良い!!

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『…市姫様…貴女もお人が悪いですね。 子供のフリをしているかと思えば…急に素を出される。 …一つお聞きしたいんですが…愛奈ちゃん…いや、市姫様…どっちが本当の姿で?』 島は的確に見極めつつ、愛奈に核心を着く。 「私は様々な前世を持っているが…前世の人格は当に消え失せている。 記憶でしか無いが、必要あれば前世の様に身分や立場を戻す事も厭わぬ。 …だが、本当の私は燭台切愛奈であって他の何者でもない」 強気に笑みを浮かべ、愛奈は島に答えた。 『そこまで言われちゃ…私も腰を上げるしかありませんね。 良し…良いでしょう。島左近…貴女の力に成りましょう』 愛奈の強さと覚悟に、島は感心して了承した。 「島さん、ありがとう…」 嬉しそうに笑って愛奈は礼を言うと通信を切った。 「さて…皆会話を聞いて知っていると思うけど…私の命令に従って貰うわよ? 名付けて…ゾンビ誘き寄せ大作戦!! 交戦中の味方を援護する部隊と、囮部隊に分けて作戦開始!」 空に親指を掲げて愛奈は皆に言った。 一方… 「話は聞いていた筈…霧ヶ隠さん、猿飛さん…塩入手お願いしますよ」 上を見上げ、島は笑って頼んだ。 「了解!」 「承知!」 二人の青年が返事をすると、一瞬で気配が無くなる。 「重門君はどうします?」 重門に近付いて島は問い掛ける。 「…僕達はバレないように影から助けます。父上には会いたくありませんしね」 苦笑して重門は島に答えた。 …やれやれ…難儀な親子だ… 複雑な表情で島は溜め息を着いた。
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