第七十三話突きだ!串刺しだ!行くぜ!

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「沖田総司…君も愛奈が言ってるんだし…愛奈を大切に思うなら…我慢してくれないかな?」 愛奈の頭を撫でながら竹中は沖田に言う。 「…仕方無いね。武士が女の子を泣かせちゃ面子が丸つぶれ…剣士の名に傷がついちゃ困るさ」 呆れて溜め息をつくと、沖田は頷いた。 「そっちの家族刀剣さんは?」 愛奈を抱き締めたまま竹中は光忠達に尋ねる。 「…愛奈が決めた事なら従うよ」 苦笑して光忠は頷いた。 「…愛奈が決めた事に間違いはない」 大倶利伽羅は竹中に視線を合わせないまま答えた。 「愛奈の命令には従う…それが俺のポリシー!」 笑って鶴丸は腕を組んだ。 「…愛奈の望むなら叶えるまでです」 ニッコリ笑って一期一振も頷いた。 「だってさ…良かったな…愛奈…」 笑って竹中は愛奈を見詰め言う。 「うん…」 涙目になりながら愛奈は嬉しそうに頷いた。 そして… 「それじゃ…皆さん!行きますよ!」 愛奈が号令を掛けると、全員がバラバラに駆け出して行った。 「気を付けな?馬鹿愛奈…」 心配して竹中は愛奈に言う。 「馬鹿は余計なり!クソ軍師!」 歯軋りしながら愛奈は竹中に言い返した。 「必ず戻っておいで…」 涙目で光忠は愛奈に言う。 「…怪我はするな…嫁入り前だ。身体を大事にしろ」 心配そうに大倶利伽羅も言う。 「…無茶は駄目だからな?」 愛奈の頭を撫で鶴丸も涙目で言い聞かせる。 「…無事で居るのですよ?」 一期一振も泣きそうになりながら愛奈に言った。 「ラジャー!」 ドヤ顔で愛奈は敬礼して言う。 「…では行ってくる」 義輝は愛奈を抱っこすると皆を見回す。 「行ってくるぞ」 ニコニコ笑って三日月も言う。 「皆さんもどうか御無事で…」 「気を付けて下さいね!」 義経と今剣は、心配そうに皆に言った。 「…天才剣士の僕が居るし問題無くない?」 欠伸をしながら、沖田は言うと木に背を預け座り込んだ。 そして皆に見送られ、愛奈達も向かって行くのだった。
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