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「巨大な人間百足？蜘蛛かな？」
ザシュッザシュッザシュッザシュッ
首を傾けると、青年は片っ端から足や手足を削ぎ落とし…
「止め！」
楽しそうに笑みを浮かべ、青年は巨大な顔を真横一文字に斬り捨てた。
あっという間に砂に還り、青年は残念そうに砂を見詰める。
「…あ…兄者…」
一連の解体ショーを見せられ、呆気に捕らわれていた膝丸が声を掛ける。
「やあ、無事でなにより」
笑って髭切は膝丸に駆け寄ろうとするが…
「…早く立ちなよ…」
呆れた顔をして頼朝に手を差し出す。
「うっ五月蝿いっ！…刀の癖に生意気だ！」
怒りながらも、頼朝は髭切の手を取り立ち上がった。
「…君にしか言わないし、君と違って膝丸は優秀だから小言言う理由もないんだよ」
あっかんべーをして、髭切は頼朝に答える。
「馬鹿で悪かったな！」
不愉快そうに頼朝は腕を組み顔を背けた。
…やはり兄者は…
膝丸は気付いて切なそうな表情になる。
…兄弟刀は性格まで似るのだな…俺は義経様に敵わないが…兄者なら…
淡い期待を胸に押し込み、膝丸は再び太刀を握る。
「まだ敵は居る！油断なされるな！」
薙刀を出現させ、弁慶は皆に向かって叫び…
「まだまだ…暴れ足りぬわ！」
愉しそうに岩徹も薙刀を振るい吠えた。
一方で…
「首を差し出せ！」
「…楽しませてくれないかな？」
歌仙は打刀を振るい、青江は高次を守るように脇差で山賊に斬り付ける。
「…五月蝿い蝿が！」
頼光も負けじと二刀流で山賊を斬り捨て…
「っ！」
美しい剣裁きで、高次も山賊を斬り捨てていく。
「流石は三郎様で御座います！二人が来るの分かったのですね」
喜んで綾光は三郎を褒める。
「まぁ…勘だがな？」
あっさり三郎は答えた。
「えっ！？勘っ！？勘と申されましたかっ！？」
びっくりして綾光は固まる。
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