第七十四話虎吠える歌舞伎者の大一番

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「…これだけ敵味方が入り乱れてるんだ。剣士の殺気なんて当て外れになる。 …第六感と言うべきか…直感と言うかな…」 緩い感じに三郎は言うと、綾光の太腿に頭を乗せ寝そべる。 「じゃあ…もし勘が外れていたら…」 「出るしかなかっただろ。重門の約束は破る事になったがな」 冷や汗を掻いて綾光が聞くと、三郎は目を瞑り答え… 暫くして静かな寝息が聞こえて来るのだった。 ……三郎様は昔からお仕えしているが読めないお方だ…。 溜め息をついて綾光は項垂れた。
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