第七十五話俺の話?聞いてもつまらないと思うけどな…

4/5
前へ
/857ページ
次へ
「それも敵わず…その風潮が根付いた故に日本人も劣化し…柔軟な思考も…他人を想う思いやりも…風前の灯火に成り得た。 時代が人を作ると申すが…今の日本は停滞した古き時代その者。 古きを捨て、柔軟な考えを受け入れ…設備を整えずにして何が人を救えようか? 失う命をダラダラ失い、有能な人材を生かさずにした江戸時代と何ら代わり映えしないではないか。 明実の時代が…まさに愚を体現した世ぞ。 我は惜しくて惜しくてたまらぬわ」 怒りを露にしながら、信長は立ち上がる。 「…」 言葉が突き刺さり、亀甲は悲痛な表情になる。 …江戸時代は僕が作った…仕組みも全て確かに今の日本は江戸時代と変わらない。 唇を噛み締め、亀甲は悔しがった。 「まあね…現代の日本が底無し沼から脱却するには時間掛かるけど… これだけは言える。俺達が居る歪んだ時代を…俺達で理想の時代にしない?」 笑って竹中は信長に言うと、立ち上がった。 「貴様…何を申している?」 目を見開いて、信長は竹中に問い掛ける。 「勿論、言葉通りだよ…。この時代は歪んでいる。 歪んでいるからこそ、時代バラバラな人物が居るのさ。 まだ幕末だけなんだけど…西日本と、東日本の多くは連帯して行くって事で話は纏まっている。 まあ、家康は行方不明だから仕方無いけど他の将軍は協力しているよ。 後は光國様の承認を得れば完成…誰もが安心して暮らせる時代…。 幕末はその試作実験時代って訳」 愉しそうに竹中は信長や皆に全容を話したら。 「…」 沖田は目を真ん丸にして固まる。 「…え…この人何言っちゃってる訳?」 加州はびっくりし過ぎてドン引く。 「…」 安定は竹中の考えにキラキラ目を輝かせた。
/857ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加