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「で？あんさんは何をしに村へ居るん？」
呆れた顔して山崎は問い掛ける。
「塩を買いに来たんだ。相方や相棒も居るけどな！」
笑顔で佐助は山崎に答えた。
「相棒って事は…臥竜兄さんと、竜骨兄さんも？」
びっくりした厚は聞き返す。
「勿論！才蔵も居るしな！」
笑顔で佐助は頷いた。
…厚が兄さん言うって事は粟田口の兄さんって事やな…
厚の様子を見て、山崎は納得する。
「…」
山崎は気付かなかったが、山崎を見詰める佐助の瞳はキラキラしていた。
ドゴッ
「ぐほうっ！！」
不意に、佐助は突然現れた青年に肘鉄を脳天直撃で喰らって目の玉が飛び出る。
「ひいっ！？」
「っ！？」
佐助の凄い顔にびっくりして、山崎と厚は顔が青ざめた。
「…何をサボっているんだ…馬鹿…」
呆れた顔をして、青年は腕を組む。
長い黒髪を風に靡かせ、黒い忍装束を着た睫毛が長く、絶世の美女にしか見えない青年は佐助を睨む。
「サボってねえもん」
頬を膨らませ佐助は顔を背けた。
「どうだか…。俺は真田十勇士の副長…霧隠才蔵だ」
礼儀正しく、才蔵は頭を下げ名乗る。
「わいは山崎丞言います。…新撰組元監察方で、今は命を受けて古巣である新撰組に加勢に行く途中や」
山崎も頭を下げて名乗る。
「…」
山崎を見て才蔵はびっくりして目を丸くし…
「…」
ニヤニヤして佐助は才蔵を見る。
「何やってんのさ？」
「サボりは良くないですう」
そこへ二人の少年がやって来る。
「臥竜兄さん！！竜骨兄さん！！」
嬉しそうに厚は二人に駆け寄る。
「えっ？もしかして厚っ！？」
びっくりして一人は目を丸くし…
「息災でしたかぁ？大阪城落城の日以来ですぅ」
嬉しそうにもう一人は厚を抱き締める。
「へへ！！」
嬉しそうに厚は笑みを浮かべた。
…あれが厚の兄さん達かいな？
びっくりして山崎は目を丸くする。
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