第七十七話忍乱舞と粟田口の再会

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赤い髪で短髪、赤い忍装束を着た強気な顔立ちの少年。 臥竜藤四郎。 粟田口の脇差の刀剣で、元は大太刀。 青色の長い髪をポニテにし、青い忍装束の上に水色の着流しを着た強気な弱気な顔立ちの少年。 竜骨藤四郎。 粟田口の脇差しの刀剣で、同じく元は大太刀。 大阪城築城の際に、飛鳥時代か平安時代だと見られる墓が発見され… 墓の主である御遺体と共に、副葬品として埋葬されていた。 だが、錆び付いていて状態が悪く…大太刀としては扱えず…長脇差しとして磨き上げられ秀吉が名を付け直した。 「あれ?もしかして厚の相棒さん?どうも、どうも! 弟が世話になっていますっ!俺は臥竜藤四郎と申しまして…佐助の相方を務めて居ります!」 山崎に気付くと、慌て臥竜は名乗った。 「僕は竜骨藤四郎ですぅ。才蔵の相方をしていますぅ。厚が世話になっていますぅ」 厚を話すと、恥ずかしそうに頭を下げ竜骨も山崎に名乗った。 「こりゃ御丁寧に…山崎丞言います。新撰組の元監察方や…」 慌て山崎も名乗る。 「…任務中でな。山崎達も任務中では?佐助が呼び止めた様で申し訳ない…」 状況を察して才蔵は頭を下げ謝る。 「いや、こっちが斬り付けたんやし…敵じゃない見たいやし堪忍な」 慌て山崎も謝る。 「敵じゃない…か。ふっ、今はな…」 含みある言い方で才蔵は微笑する。 「?」 訳が分からない山崎はキョトンとする。 「…名残惜しいけど…竜骨兄さんも…臥竜兄さんもじゃあな? また会おうぜ!」 寂しそうに笑って厚は二人に挨拶した。 「…身体に気を付けるんですよ?」 竜骨は涙目で厚に言う。 「あぁ!」 無邪気な笑顔で厚は頷く。 「他の兄弟や一兄さんに宜しくな?」 寂しそうに臥竜も涙目になる。 「おう!」 笑顔で厚は頷いた。
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