第七十七話忍乱舞と粟田口の再会

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「ほな、先を急ぐんで失礼するで」 「じゃあな!」 山崎と厚は、挨拶をしてその場から姿を消す。 「…山崎丞ちゃん…素直で可愛い…お前も一目惚れしただろ?」 笑って佐助は才蔵に聞く。 「…可愛いとは認めるが…接点が無い」 顔を赤くしながら才蔵は答える。 「接点なんて友好を深めりゃ何とでもなるっしょ? でも…戦国に行ったら敵になるかもな…真田は豊臣…徳川と対立してるし…」 溜め息を着くと、佐助は視線を月に移す。 「松平信康と結城秀康…か。家康の嫡男と次男…。 しかも何故か明智が味方してるのが気になる…」 才蔵も難しそうな顔をする。 「新撰組って徳川の忠臣らしいし…敵になるのは確率的に高い。 だからさ…殺すなら俺が丞ちゃんを殺す」 ニッコリ笑って佐助は才蔵に言う。 「…ふざけるな…俺が殺す」 苛立って才蔵も佐助に言い返す。 「君たち馬鹿なの?そうならないように真田十勇士が暗躍してんじゃん」 呆れて臥竜は二人に言う。 「真田十勇士の刀剣は…全員粟田口の刀剣ですぅ。兄弟達と闘いたく無いので…漏れ無く真田十勇士を消しちゃう事も出来るんですよぉ?」 涙目で竜骨は答えた。 「へ?」 「は?」 流石に衝撃を受け、佐助と才蔵は青ざめる。 「…薙刀や短刀、脇差に太刀…沢山居るし反逆されたら勝ち目無いよ? 十文字さんも賛成だし…」 意地悪そうに笑って臥竜は腰に手を当てる。 …十文字さんって幸村様の十文字さんっ!? …槍にも裏切られたら真田が滅びる! 佐助と才蔵は青ざめる。 「ギリギリまでは闘いたくないから俺達も頑張る。 だから…佐助も才蔵も諦めるなよ?」 心配そうに臥竜は二人に言う。 「…臥竜…」 嬉しくて佐助は涙目になる。 「…僕も才蔵の寝首を掻くように努力しますぅ!」 涙目で竜骨は才蔵に一生懸命に言うが… 「努力せんで宜しい!」 冷や汗を流して才蔵は竜骨にツッコミを入れるのだった。
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